2025/04/30
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国内初となるカジノを中核とした統合型リゾート(IR)の施設本体の建設工事が24日、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)で始まった。建設現場は大阪・関西万博の会場に隣接しており、工事は騒音や景観への対策を取りながら進められる。2030年秋頃に開業する予定。
24日は現地で起工式があり、大阪府の吉村洋文知事、大阪市の横山英幸市長、事業者の「大阪IR株式会社」でともに代表取締役を務めるエドワード・バウワーズ氏(日本MGMリゾーツ社長兼CEO)と高橋豊典氏(オリックス執行役)が鏡開きを行った。
IRは夢洲北側の大阪市有地約49・2万平方メートルに建設される。カジノ施設(約6・5万平方メートル)や三つのホテル、国際会議場を備える。初期投資額は約1兆2700億円で、年間約5200億円の売り上げを見込む。
吉村氏は起工式後、記者団に「大阪の経済がさらに成長する起爆剤になる」と強調。バウワーズ氏も「日本らしさを持った施設に仕上げていく。世界トップレベルのIRができる」と述べた。
万博の開催を監督する博覧会国際事務局(BIE、パリ)と日本国際博覧会協会(万博協会)は、10月13日まで開催される万博期間中の騒音や景観悪化を懸念。工事中断を府と市に求めたが、事業者側が昨年9月に対策を示したため、万博中も工事を継続することが決まった。
建設現場は既に高さ2メートルの防音壁で囲われている。万博会場からは、高さ約20メートルの大屋根リングの最上部に上ると視界に入る。24日にリングに上がった大阪府枚方市の男性(77)は「ここまで来なければわからず、特に気にならなかった」と話した。
事業者側はこのほか、くい打ち工事のピークを万博閉幕後の12月頃にずらし、万博の来場者が増える大型連休やお盆は基本的に工事を休止する。関係者によると、起工式が開幕後に設定されたのも、開幕に向けた盛り上がりに水を差さないための配慮だったという。
高橋氏は「万博協会との連携を強化し、スケジュールも遅延することなく進めていく」と説明。万博協会幹部は「対策の推移を見守りたい」と述べた。
IRを巡っては、ギャンブル依存症対策も課題となる。府と市は、相談から治療、回復支援までをワンストップで担う「大阪依存症センター(仮称)」をIR開業までに設立する。出典: Yahoo